僕ら絵描き仲間の中で、お互いにSketchBookに即興で絵を描き合い、コミュニケーションをとる事があります。
それは一般に発表される事はほとんどありませんが、お互いの感性が混ざり合い、ある意味一人では出来ない、すばらしい絵が沢山生まれてきています。それがきっかけでこの絵が生まれました。

一枚の紙に僕らが交互に絵を描き合い表現する。
そんな絵を制作するにあたりテーマは “愛”に。
これを言葉や行為で表現するのではなく、“愛そのもの”を表現する事に着目して制作しています。
愛の要素のひとつである、切なさ、寂しさ、気持ちよさを、“Blue”という言葉に置き換え、このプロジェクトのタイトルを、TheBlueLoveと名付けました。

下書きをせず、テーマのみに着目して互いに書き続けることで、創造が混ざりあい完成する絵。
人それぞれ愛のとらえ方があるように、完成した絵の物語も人それぞれ。
自由に感じて、楽しんでもらえれば、いいなと思います。

「どのくらいから二人で活動しているんですか?」

そんな質問から、二人でTHE BLUE LOVEというビジュアル・ストーリーを紐解いてみました。

初めてコラボレーションした絵の日付が2005年、ということは今年で10年間二人で描き続けてきたことになります。

コラボレーションをはじめてすぐ、senseのメカニカルなのに有機的なラインと、KAZの仮想空間なのに現実世界と融合させるライン、それを即興で構築していくスタイルが出来あがっていきました。

ただ未知の風景を描くだけではもったいないな~、なんて二人で想い始めてた時に、僕らが本当に想像:創造していくのはただの絵ではなく、この地球はとても愛のある世界なんだな、という”認識”であることにきづきました。
認識がその世界を創造するのですから。

それを絵で表現するのはとても簡単です、実は。ただそれを伝えたり、言葉で表現するのはとても難しい、そして時間もかかる…

でも、難しいからやらない。ではなく、想いがカタチになるのは時間がかかるのを知ったなら、やり続けられるはず。

そんな言葉にならない想い、すぐにカタチにならないこと、それを端的に表現しているのは、やっぱり”愛=Love”なんだよな~、という僕らの答えに行き着くのにそう時間はかかりませんでした。

愛は自由(だから好きに描くし)
愛は無制限(だからいくらだって表現できるし)
愛は無条件(だから老若男女へむけれるし)
そしてそれ以外のなにも求めないこと(だから受け入れられない人もオッケーだ)。

青=Blueという言葉を調べてみると、様々な”あお”があります。
暗い色に寄ると”藍”色になり、さらには黒色となっていきます。でも、暗闇にも実は無数のグラデーションが広がっていて、そこにも深い”あい”があります。

反対に明るい色に寄っていくと水色、空色、透明となっていきます。
まるで海の底から空のてっぺんまでを繋げてしまう色が青なのです。
空にはなんともいえない清々しさや、気持ちよさがあるけれども、心持ちによって”ブルー”な空模様に見せてしまうこともあります。

青の中には”蒼”という言葉:色もありますが、これを僕らはまだみずみずしく、完成されていない、何色にも変化をできる色として、自分たちに重ねて捉えています。
こういった様々な表情を持つ”青=Blue”が僕らのテーマカラーになり、そんなすべてが溶けあって”The Blue Love”という言葉のないビジュアル・ストーリーが生まれました。

世界をメディアの情報からみてみれば、争いや諍いが多いように”見える”けど、本当は僕らの心の中の奥深くにある、ちっちゃな宝石箱のなかに”愛”をしまっているだけで、僕らはすでにお互いが繋がりあい、他人と自分のパーソナリティを損なわずにその箱を開ける事ができる、ということが可能なのを知っています(もし知らないなら、忘れているだけだから大丈夫だよ)。
そしてそれは、今までのように奪うことやすり減らすことで愛を補うやり方ではなく、みんなで赦しあい分かちあい愛しあいなから、その世界を創っていくのです。

「そんなのできるはずない」と言って、開きかけた宝石箱のふたを閉めてしまう人がいるかもしれない。そして無上の可能性があることを諦めてしまう。

でも、アートには可能性を信じる宝石箱の蓋をあける力があり、その力を紡いでいくことができると感じます。
今どう”見える”かは問題ではないのです。

きっと、自分で描かない人、描くことや創造することが苦手な人にでも、今まで、アートに救われたり、力をもらった経験があるはずです。だから僕らはかすかに感じられるだけの愛でも信じ、描き続けることができるのです。

僕らの好きなマンガの主人公も言っていました”愛し合うことだけは、どうしてもやめられないんだ”ってね。

そして僕らは”The Blue Love”という、これから私たちが見るであろうLoveな世界を、愛くるしさや切なさをつむぎながら描き続けていくでしょう。

sense

美術家、有限会社senseseeds代表。
坂巻善徳 a.k.a. sense 1971年12月生まれ。
美術作家、ライブペインターとしての活動を軸に店舗内壁画、グラフィックデザイン、プロダクトアートディレクション、クリエィティブコンサルティングなど、様々な分野で多数のコラボレーション作品を制作、その作品を通して世界に<Peace & Happiness>を送り出し続けている。

KAZ

奥田和久 KAZ イラストレーター
似顔絵、イラスト、デザイン、壁画、ライブペイントなどで活動。 尚、壁画によって景色をデザインする壁画制作企画「city gallery」を進行中。 人や物、音や場所など、全てを対象にコミュニケーションを続け、調和する事を目的とした絵や表現で、全てにとっていいものを目指し活動中。